- 1996年、八佰伴無錫に進出!
1996年7月に開業した無錫ヤオハン。大陸1号店とされる上海店から半年後の開業であった。当時、近代化された百貨店の出店で無錫ヤオハンは大賑わいだったようだ。私が無錫に来た2002年、すでに日本には無くなっていたヤオハンがあり、懐かしく思ったのを覚えている。ちなみに現在ある大陸の八佰伴は、中華系企業の出資で成り立っている。私が初めて無錫八佰伴に行った時、テナントにはモスバーガー、ちりめん亭などが出店しており、日本風情を残していた。
- なんだか怪しいモスバーガー
モスバーガーを見つけた私は、喜び勇んで入店!しかし、すぐに「あれっ?」と思った。モスバーガーのロゴや看板などはそのままなのだが、ハンバーガーがなんだか怪しいどころか日本のものと似ても似つかぬ見た目と味。しかも一番売れていたのが、店先で販売していた「関東煮」であった。ちりめん亭もロゴや看板は日本と同じなのだが、全く日本のラーメンの味なんてしなかった。なんだか怪しいと思い、モスバーガーに問い合わせを入れたところ、「(当時)大陸には出店していないし、弊社とは全く関係ありません!」とちょっぴり冷たい返信をもらった。しばらくして、モスバーガーもちりめん亭もなくなってしまったが、しっくりしない気持ちが残っていた。
- 2012年、モスバーガー無錫に再進出!
2012年、八佰伴から中山路を北に行ったところに遠東百貨が誕生し、その地下街にモスバーガーが出店していた。このモスバーガーは本物であった。そしてモスバーガーを誘致した人に、15年前にもモスバーガーがあったことを話しすると、裏事情を教えてくれた。
- モスバーガー進出裏話
無錫に八佰伴が出店した頃、モスバーガー、ちりめん亭も同時期に出店していたようだ。だから元々は無錫八佰伴にあった同店は、正式に日本から来た店舗であったらしい。しかし1997年、ヤオハンは倒産する。残された形になってしまったモスバーガーではあったが営業は続けていた。
ある日、モスバーガーの営業会社の日本人総経理が一時帰国し、その後無錫に戻って来たのだが、なんと総経理室に鍵がかけられ中に入れない状況であったという。当時の中国人幹部が総経理室を乗っ取ってしまったらしい。会社の印鑑や全ての重要書類は総経理室にあったので、総経理にはもう何もできなくなっていた。今ではなかなか考えられない事件だが、当時はヤオハンも中国企業となっていて、日本人もいなくなっていたことから、泣き寝入りするしかなかったようだ。
2002年、モスバーガーに問い合わせて、少し冷たい対応をされたことが、なんだか理解できた気がした。