電脳のHDDを自力でSSDに換装した

まず、HDDとはハードディスクドライブ、SSDはソリッドステートドライブの略である。HDDが回転式であるのに対し、SSDはUSBメモリが巨大化したようなものである。PCに関する知識が中の下程度の私が、自力でHDDからSSDに換装した時の顛末を書きたいと思う。

 

HDDの健康状態
今年の春ごろから、個人PCの調子が何となく悪いなと感じ始めていた。個人PCは2014年に購入したもので、HDD容量は750GB、当初のWin8.1をWin10に無償グレードアップしたものだ。個人PCは音楽や動画再生用として生活に必需である。そもそもHDDの寿命は一般的に1万時間と言われており、だいたい毎日数時間使用していたので、約4年の使用で寿命時間には達していると考えられた。それまで音楽データはPC本体のHDDに保存していただけだったので、まずは外付けHDDにバックアップを取り、対策を検討することとした。
HDDはそれ自体に健康状態をSMART情報として記録しているが、SMART情報はWindowsの機能で読むことはできない。専用のアプリが必要である。そのためのアプリとしてCrystalDiscInfoがフリーで入手可能なのでそれをインストールしてみた。SMART情報には使用時間も記録されている。搭載していたHDDは14,000時間を超えていたので、一般的な寿命を優に超えていることが分かった。いつクラッシュしてもおかしくない危険性が高まっているということだ。
しかも何たることか、HDDの「代替処理保留中セクタ」というのが138(16進法表記なので実際の数値は312になる)と出ているではないか。これはHDDの中で、使用できないセクタかどうか分からないけれど取り敢えず代替処理を保留しているセクタがあるという意味で、クラッシュの前段階とも言えるものである。セクタが代替処理済みになると、そのセクタは使用できない部分と判定されるものである。
代替処理保留中セクタの数が日々増加して行くようだと危険度が高いと言われているが、幸いにも毎日の監察でその現象は起きていなかった。
一方昨年リース更新で新しくなった会社のPCは、いまだにWin7ではあるが、全く問題なく使えている。よくよく調べてみるとHDDではなくSSDが搭載されている機種だった。速い訳だ。それに比べて個人PCは、Win10のせいもあるが起動が遅い。3~4分はかかる。HDDをSSDに換装すれば、Win10であっても格段に速くなると言われており、起動時の時間浪費を削減するため、SSDへの換装を決意した次第。しかもHDDは衝撃に弱いという欠点があるが、SSDはその心配もない。

いざSSD換装

 

SSDへの換装は、日本に一時帰国した時にやろうと考え、国慶節休暇で帰った日に500GBのSSDを購入し日本の自宅でいざ換装実行。と言っても購入したSSDはまっさらの状態だから、何はともあれWin10を入れなければならない。その方法として私は、クローン作成を選択した。クローンだから今までのHDDの中身がそっくりコピーされるわけで、これが最も良いと考えた次第だ。
クローン作成は専用のアプリを使わなければならないが、これもフリーで入手可能。早速トライした。クローン作成に要した時間は3時間ほど。次に搭載していたHDDを外してクローンSSDに換装。そのためにはPCの裏蓋を取り外さなければならず、自己責任の元、かなり慎重にやらなければならない。作業が終わって起動したら、噂通りにすこぶる速いので驚いた。しかしである、一旦シャットダウンしたら、二度と起動できなくなった。原因を調べたら、どうやらSSDのパーティションを間違えたようで、再度HDDに戻してパーティション設定をしてクローン再作成。しかし今度は最初から起動しなかった。もうお手上げである。

 

クリーンインストール
PCに独自にインストールしたアプリなどもそっくりコピーできるというメリットからクローン作成を選んだのだが、それは諦めて、仕方なくWin10のクリーンインストールをやることにした。そのためのデータはマイクロソフトのサイトから入手可能で会社PCを使ってUSBメモリにコピー。そしてSSDを取り付けた個人PCの起動時にBIOS設定画面(PCの基本的動作設定)を出し、ブート(読み込み)の順番を外部USB優先に変更して起動させるものである。

Win10のクリーンインストールはかなり時間を要したが、何とか完了し、起動もシャットダウンも問題なくできるようになった。独自にインストールしたアプリは消えてしまったので再インストールして、何とか使えるようになっている。ヤレヤレ。
すこぶる起動速度があがったPCではあるが、スリープがうまく行かないことが時々ある。これはまだ原因を特定できていない。再度クリーンインストールすれば直るかも知れないが、いまその元気はない。