現在WeChatは中国の生活に欠かせないツールになっていますが、特に日本との大きな違いは、中国ではビジネスの関係づくり、コミュニケーションにも大胆にWeChatを取り入れているということです。
WeChatでは自分の日記などを友達に見せるモーメンツの機能がありますが、ここでも仕事の内容とプライベートの内容を一緒にしています。日本ではあまり仕事関係の人にプライベートな日記などが表示されるのを嫌がる傾向がありますが、中国ではそちらは気にされていないようです。
人とのつながりはビジネスのつながりと密接に関係しているということが中国では普通に受け入れられています。
WeChatグループについて
まず、何かプロジェクトがあれば、取引先とすぐにWeChatグループを作ってそこで情報共有が行われるということが頻繁に行われています。以前からQQなどで取引先の担当者と様々な連絡を取り合うことは普通でしたが、それが今はWeChatでさらに素早く行われるようになったという状態です。
その他に、さまざまなテーマに合わせてWeChatグループがあります。(ここでは不特定多数型のWeChatグループと呼びます。)
以前から同じような使われ方のQQグループもありますが、QQグループは検索して見つけて自分から加入申請することを前提に設計する一方、WeChatグループはメンバーからの招待で加入するように設計されており、より業界つながりという雰囲気が強い内容になります。
蓄電池の技術交流や華東地域ソフトウェア紹介交流など、さまざまなWeChatグループが
ほとんどの中国人が複数のチャットグループに入っています。黙っていても面白い画像やら動画が流れてきますので、仮に仕事や興味で必要なくとも呼んでいて暇つぶしにもなります。
300人-500人と人数の多いグループも多くあり、そのなかで製品紹介なども時折流れてくることがありますし、それがまったく不自然なことではないと捉えられています。またそのチャット内で積極的に発言したり、グループオーナーとの会話などを成立させておくことで、参加者により親密に感じてもらうことができ、製品を信頼してもらうことにもつながります。
挨拶と何気ない会話、面白画像や製品紹介が混ざって流れてくる
なお、グループのオーナーから、製品を紹介するときは、その前に紅包(Red Packet)を配布しましょう、などというローカルルールを定められている場合があります。
直接の人脈がなにより大切な中国のビジネスでも、ITツールを使った新たなビジネス活動も盛んにおこなわれています。皆様の会社の営業の参考になればと思います。