人不足と学歴の変遷

中国で製造業に携わっていると、中国人の大多数を占めるだろう人達と触れる機会が多くなると思います。工場に就業する人の多くの最終学歴は高卒までです。高卒すら珍しかったです。前いた工場で一緒に仕事をしていた40代、50代の方々も

同じ様だったと思います。

 

今回は今の人不足を、この大部分であろう方々の学歴にポイントを当てて見てみたいと思います。

 

私が中国に来た年(2003年)の大学進学率は5パーセント。この頃は、作業者が足らないなどと言うことは全くありませんでした。いつも工場の周りには地方から出て来た人達でごった返していました。

 

もちろん農村で働く人たちもいますので、大学に行かないからと言って、工場労働者になる訳では有りませんが、単純に対象として考えても9割以上あったわけです。また、この時期は内陸の開発が進んでいなかったため、多くの工場労働希望者が沿岸部、特に華東と華南に集まりました。

 

人が集まりにくくなり始めたのは2006年頃でしょうか。生産会議の大きな議題になり始めました。この時の大学進学率が10%。2008年には15%と急激に上昇していきます。私がいた工場でも、地方まで人員獲得に出向くようになっています。

 

それ以降も進学率の上昇は続き、2010年で20%を越え、昨年の2016年は42.7%まで来ました。その上、労働人口数は2013年にピークを迎え現象に転じています。労働者全体のパイが減り、かつ高卒迄が主な対象となる工場労働従事者が減ると言うダブルショックが有る訳です。

 

人力資源会社としては、学校など教育機関へのアクセスを強化する事で解決策を模索して行くつもりです。しかしながら、工場として生産能力確保の力がより重要性を増していくと思われます。

 

 

 

参考:

Global Note: 中国>大学進学率(出典UNESCO)

図5(中国国家統計局)