ホテル隔離を経験して

 

3月19日に成田空港から無錫に戻って来た(5月6日現在、成田無錫便はなくなっています)。待ち受けたのはホテル隔離。現在(5月6日時点)無錫ではホテル隔離2週間の後、自宅またはホテルにて2週間の隔離と合計4週間の隔離であるが、私の時はホテル隔離の2週間と健康観察2週間であった。

●ホテルの選択権は利用者にはない

成田空港でチェックインに渡される承諾書にホテル名が書かれてあり、そこで2週間隔離されること、飲食のデリバリはできないことなどが記述されておりサインをして提出する。なのでホテルを選択する権利はない。私の時は”錦江之星酒店”と”格林豪泰酒店”の2つのホテルが記述されており、どちらに行くかはわからず、無錫空港から乗るバスの順番で振り分けられたようだ。この2つのホテルの他にも隔離ホテルはいくつかあって、太湖のほとりのリゾートホテルもある。私が過ごした隔離ホテルは”格林豪泰酒店”で、一泊180元+食事70元(3食)の@250元であった。

 

●カレーかシチューになる前のやつ

ホテル隔離生活で最もしんどかったは食事である。毎日の3食は中華弁当。日本から戻って来たばかりなので、ぎっしりご飯の香りに耐えられず、ふりかけがなければ厳しい。カレーかシチューになる前のおかずが夕食に出されたが、翌日の昼にも出るという超短期ローテもあったりしてかなりきつい。飲食のデリバリはダメとのことだったので、日本から食材を持ち込まないと本当に辛い。他の地域はと言うと、デリバリや差し入れはOKというところも多く、ホテルが日本食を用意してくれていたりしてくれているところもあるようだ。狙いは青島か大連経由が良さそうだ(青島、大連もホテルの選択権は利用者にはありませんのでご注意ください)。

せめてデリバリをOKにしてくれるとありがたいと思うのだが、そうなると我々の隔離を手伝ってくれている人たちが、いちいち防護服を来て持っていったりしないといけないので、迷惑をかけてしまう。なので仕方がないなあとも思うのではあるが。

●それでも感謝の気持ちが大きい

14日間、ホテルで誰とも会わずに、基本出される食事だけで缶詰状態になるのだから、もっとこうして欲しいとかの要求が出てくるのは仕方がない。特に食事に関しては文句も多いことであろう。しかし、無錫空港では至る所に防護服を着た日本語通訳の方がおられ、ホテルでは日本語は通じないが、健康チェックでかかってくる電話の人とか、PCR検査に来てくれる方とかは、非常に親切であった。ホテル隔離が明けて自宅での健康観察の2週間もやり取りをさせていただいていた社区のボランティアの方はとても親身で親切だった。すごく感謝している。

●最後のPCR検査は自宅で

中国ではPCR検査の一部を肛門で行っていると聞いていた。空港で1回、ホテルで2回、健康観察で3回のチャンス(?)はあったのだが、残念ながら肛門検査はなかった。
入国してから4週間後のPCR検査は家まで来てくれた。初めは防護服で来られると、周りに目立つし嫌だなあとは思ったが、わざわざ防護服を来て検査に来てくれたことは感謝以外ない。ちなみに椅子を用意しておくようにと言われたので、もしや最後の最後に肛門か?と期待(笑)をしたが、肛門検査ではなかった。

●感謝の気持ちを忘れてはいけない

自宅までPCR検査をしに来てくれたことで思い出したのだが、深センにいる友人の話。

約1年前、深センでは外国人を対象にPCR検査を行うとのことで、自宅まで検査員がやってきたそうだ。その時に検査員が最初に言った言葉が「あなたの国の方々は、私たちにマスクを送ってくれました。感謝しています」だったそうだ。今回戻ったことで思ったのは、隔離やワクチン接種などに係っている人たちの援助がないと、こうした日常の生活を送ることは出来なかったなあと言うことだ。感謝の気持ちを忘れてはいけない。