日本人の知らないインダストリー4.0 – 起業家の力によって

日本では工場の情報化は以前からいろいろと工夫されており、またカイゼン、見える化などの工場内部での工夫はいろいろとされています。エクセルを使ったりいろいろな地元ツールなども盛んに取り入れられています。

 

中国ではそのような工場レベル、職人レベルでの取り組みは多くないですが、逆に起業家によるビジネスとしての工場業務の革新がでてきており、とくに最近のIoTの流行によってさまざまなソリューションがでてきています。

 

そのようなベンチャー企業の一つに、工作機械のオンライン監視とオンデマンド修理を手掛けるIOEがあります。もともとは無錫市内で機械修理を手掛ける会社の家族が始めた会社ですが、もとより顧客のバックグラウンドがある企業として現在政府や投資家からも注目を集めています。

 

この世から、管理のしにくい工作機械をなくす

ー 天下不再有难管的机床 ー

 

工作機械とは、金属などの元素材をプログラムで設計した通りに内部の刃物が自動的に回転加圧などをしながら穴あけなどの加工をして部品を仕上げる箱型の機器で、現在の製品の様々な部品加工にほぼ必須のように使われています。

 

 

 

このビジネスは工作機械を使う工場を顧客のターゲットにしており、各工場の工作機械の稼働状況(ON・OFFだけでなく、振動や温度などの故障予測にともなうデータも対象)を集めて管理し、さらに同様の状況の統計データ、また付近の修理工などの手配なども含めたビジネスを視野に入れています。

 

一見非常に一部分に特化したニッチなビジネスと思われがちですが、ここ中国の市場は大変大きいため、工作機械だけで何万台、何十万台とありますので、このように一つの分野特化しても十分にビジネスとして成立します。

工作機械そのものは山崎マザックやキーエンスなど、日本のメーカーの物が大変大きいシェアをもっていますが、このように周辺の情報管理に現地メーカーに入り込むことで、修理コミュニティ、交換部品の調達や、新規置き換えに関わる情報などでビジネスの相関関係が変わってくるのではないか思われます。